静電靴の注意点
静電靴?帯電靴? | |
静電靴は帯電靴と呼ばれることがあります。 「どっちが正しいの?」と思われるかもしれませんね。 どちらも同じものになりますが、名称としては正しく言うと<静電気帯電防止用靴>です。 <帯電>とは物体が電気を帯びること。 そして電気を帯びて、そのまま電気が動かずにその物体に留まっている、その電気を<静電気>といいます。 ですから、細かいこと言えば「帯電靴」という言い方は誤りになります。 「電気を帯びる靴」という意味になってしまいますので、「帯電防止靴」で意味が通る言葉になります。 静電気は動かない物には発生しません。 物が動く際に、物同士がこすれて(空気との摩擦も含みます)発生します。 人間は歩くときでも衣服が擦れますし、椅子から立ち上がるだけでも摩擦になりますので、人間は静電気を帯電しています。 電気工事の現場やガスを扱う現場などで、静電気が原因になって火災や爆発などの事故に繋がることを防ぐ為に、履かれることが多いのが静電靴になります。 また、静電気で破損しやすい製品の製造現場でも使用されます。 静電靴は、発生した<静電気を靴底から床へ逃がすための靴>になります。 また、<制電靴>という書き方もありますが、電気を制する靴ではありませんので<静電靴>が正しい表記になります。 |
静電靴の注意点 | |
静電靴は<静電気を靴底から床へ逃がすための靴>です。 その為、絶縁体の上での作業では電気を床に逃がせないので意味がありません。 ゴムシートやガラスの上での作業などは注意が必要です。 【主な絶縁体】 ・ゴム ・ガラス ・プラスチック ・木 ・油 ・テフロン ・ポリ塩化ビニル など また、靴底が磨り減っているものや、金属が付着したもの(金属片が刺さっているなど)は性能が発揮できませんので、 その場合は継続して使用せず、新しい静電靴に交換してください。 また、静電靴の底が濡れていると電気抵抗が減少して、感電の恐れがあります。 (静電靴は感電することを防ぐ靴ではありません。) また、床や靴底に塗料が付着していたりする場合でも、性能を発揮することが困難な場合があります。 塗料が絶縁体を含んで居たりする場合ですと、静電気が床へ逃げるための通り道を塞いでしまいます。 また、同じ理由で、絶縁体を使用したインソールなどは使用しないで下さい。 合わせて静電作業着や、静電マットと併用して静電靴を使用すると安全面で効果がアップします。 用途に合わせて、特性を理解した上で作業を安全に行うために正しく静電靴を履くことが事故を防ぐ重要なポイントとなります。 |